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2005年12月24日

初のこづかいゲーム実践記−式町みどり− 平成16年7月8日

子どもの金銭教育」実践レポート

  ★この原稿は、D's Base への投稿を転記したものです。

今回は、東京で子どもの金銭教育について目覚しい活動を行っている式町みどりさんの事例をご紹介いたします。
式町さんとは2004年3月の研修で初めてお目にかかりました。
長年、外資系銀行で為替から資金ディーリングまでの業務に携わり、退職後は個人トレーダーとしてマーケット研究・実戦しながら、金融商品に関する執筆、個別相談に応じておられます。
従来の経験から感じておられる、子どもの金銭教育の必要性とかかわりについて、ひとつのイベントを通して、まとめてもらいました。母親の暖かい眼差しで子どもたちと楽しんでいる様子をご紹介いたします。(マネーじゅく代表 陣内)


初のこづかいゲーム実践記
 〜FP協会東京支部府中フォーラムにて〜 


                    式町 みどり(FP-Profession副代表)

 このコラムを書かせて頂くにあたり主題である「こづかいゲーム」との出会いからお話させていただきたいと思います。

 外資系金融機関のディーラーとして内外マーケット取引きを仕事としていた一方で母親業にもエネルギーを注いでいた私がある意味で一段落を迎え、これまでの知識と経験を生かした活動について模索していました。FPとしての「お金の話し」、母親としての「子育て支援」でお役に立ちたいと言うのが動機でした。

 そんな時、「金銭教育」というテーマに出会いました。少しでも知っていれば防げた不幸な話しが相変わらず聞かれます。自分で判断できるための地図や磁石を子どもたちに持ってもらうための種蒔きのお手伝いをさせて頂きたい。そう思いながら入り口を探していたところ、FP-Professionの中上直子さんの紹介で「マネーじゅく指導者研修」を受講したのが今年の3月。その後、FP協会東京支部府中フォーラム、杉並区消費者センターオープン記念イベント、と「こづかいゲーム」の実践活動を行ってきました。

 今回は、2004年5月22日(土)、初舞台「親子のためのマネーレッスン・おこづかいゲーム」FP協会東京支部府中フォーラムでの活動をご紹介します。


■ワークショップの体験と企画応募、準備

 指導者研修では参加した大人だけの「こづかいゲーム」実習を経験したものの、童心にかえって楽しんでしまい、FPとしてどう子どもに大切なポイントを伝えるか?について掘り下げないままFPフォーラムの企画応募をしていました。

 その企画が採用になり、事前の「練習会」のために、友人の計らいで集まってもらった小学生たちとのゲーム会が実現し、現場で学びを深めることになりました。

 自分の子どもは既に成人し、ゲームの対象である小学生と日常接する事が少ないことから、少し忘れかけていた母親的感覚が復活。また、ここで得た感触は実際の「こづかいゲーム」進行や小学生との接し方において参考になりました。やはり論より証拠。現場です。

 この日の現場で興味深かった事として、
1. 子どもたちがなかなか欲しいものが思い浮かばないこと
2. カードの内容から会話が広がること
3. 日常生活では、子どもたちが親と話す時間が少ないのが見えてきたこと
などが特に印象に残りました。

 練習会で感じた事を参考にして私流「工夫」を加えてフォーラム当日に臨みました。


■フォーラム本番

 フォーラムでの金銭教育実践プログラム「おこづかいゲーム」は、東京支部では初の試みのワークショップで、50分枠で二枠を企画することになりました。これまでのフォーラムで金銭教育セミナーはあったものの、実践教育企画は行われていなかったのです。

 来場者が少な過ぎて淋しい状況や、反対に多過ぎて出来ない子どもが出る状況の両方を想定し心配しました。情報宣伝は各フォーラム委員会で作成する宣伝用チラシの新聞折り込みや手配りによる配布、東京支部ホームページでのフォーラム告知に加え、知人達への口コミ、また、陣内恭子さん主催「マネーじゅくサイト」でのイベント告知などを通じて行いました。結果的に「マネーじゅくサイト」をご覧になって、と言う方が多く、保護者の方の金銭教育への関心の高さがうかがえました。

 このプログラム枠はアットホームなゲーム大会にしたいと考え、子どもたちを名前で呼ぶ為にネームシールなどの準備をし当日を迎えました。

 「親子で参加するおこづかいゲーム」1回目が始まる前、まだ部屋の準備中から続々と胸に名前シールを貼った子どもたちと保護者が来場。ほっとしました。


■ゲーム中の子どもたちの様子

 「こんにちは!」元気良い挨拶でスタートです。始めにゲーム進行を説明し、子どもたちには、自分が今、欲しいものを考えて書いてもらいます。ここがこのゲームのポイントです。

 その後、カードを引きながら、買物を楽しんでいきます。オリジナルのお金券もあり、バンカーさんから受けとったり、払ったりしながらこづかい計算シートに記帳していきます。ゲームですから勝ち負けがあります。ゲーム中、ポイントの☆マークを集め、多い子どもがそのゲームの勝利者です。どうすれば勝てるのか?は詳しくは話しません。勝つためでなく、いろいろなことを経験し、ゲームを楽しんで欲しいからです。

 子どもたちは、遊びと思うとお金券も乱暴に扱い始めたりします。ですから、始める前に「オモチャのお札だけど、ゲームではおカネ、大事にしてね。そしてお金を貰ったら“ありがとうございます”と言いましょう。」「カードを引いたら大きな声で読んでみんなにも聞かせてね!」などの約束をします。ここが、単に遊ばせるだけのゲームとは違った、教育的要素を盛り込んでいる「こづかいゲーム」の特徴でもあります。

 私の事前練習で、実際に子どもが「欲しいものを書く」のに時間がかかったことから、例えば、CD2,000円などのようなヒント表を用意するなど、限られた時間で子どもたちにたくさんの経験をさせるための工夫をしています。ヒントを参考にそれぞれが自分の欲しいものを書き、毎月のこづかいをもらって文房具を買います。そして、サイコロを振って、コマを進めてカードを引いていきます。

 誰かが、買いたいものが買えたら拍手がおこります。アルバイトカードには、「する〜!」お手伝いカードでは、「お金じゃないけど、☆がゲットできた〜」嬉しそうにシートに金額や☆を書く子どもたちでゲームの時間は盛りあがりました。

 習いたての字を一生懸命読む子、計算したことのない桁の計算に挑戦する子。すごいパワーです。そうしながら5回戦終了。ボーナスでちょっと大きなお金もゲットし、最後の買物を楽しみます。「☆は幾つになったかな?」 ボードの星取表の自分の名前の上に☆マークのシール貼り。皆同じ位たくさんの☆をゲットしました。

 「どうだった?」と聞いてみると、「またやりたい!」「カード引く時ドキドキした」「こづかい帳つけてみる!」と言う子どもたちの横で、保護者からも「おこづかいの話しをするきっかけになりました」との嬉しい声が聞けました。

■楽しく親子で同じ体験をする重要性

 今回熱心な親子の方々にフォーラム企画に参加して頂き、楽しい時間を持てたことに感謝しています。お金にたずさわるものの基本である「記帳」、子どもたちが今後の人生で確実に必要になる「判断力」。こうした大事な要素がこのゲームの中に凝縮されています。

 記帳を記録にして、それをベースに判断することは家庭でも勿論、稼ぐ場所である仕事でも重要です。FPでも、マーケットにたずさわる仕事でも不可欠です。

 金銭教育はむずかしいテーマかもしれませんが、楽しい会話で食事の吸収が良くなるのと同じに、学びも楽しいと自然にインプットされるはずです。また、親子で参加して同じ体験をもつということが、小学生の頃には何よりも大切だと子育てが一段落した今、思います。お金の話しは学校で習うものではなく、やはり家庭で体験を通じながら学ぶものではないかと思います。子ども達にとって一番身近で安心できる家庭という単位の中で日常生活を共にし、外でも共通体験をもつ事でお互いをより理解できる基盤ができます。例えば、「約束」について話す機会は家庭でこそ沢山あるはずです。こうした毎日の積み重ねから生まれる相互の信頼。信用とお金はつねに表裏の関係であるように、お互いの信頼がなければ「お金の話し」をする土壌はできないはずです。

 こづかいゲームで蒔いた種がインプットされて、親子の信頼関係の中で育って欲しいと思います。このゲームの進行役はそんな願いもありますが、同じ位に自分も楽しくなる役どころです。

 この実践活動を生かして、6月5日(土)には杉並消費者センターの企画へ参加、今後の予定の中には8月22日(土)に私自身が実行委員長として企画した青山FPフォーラムでの「こづかいゲーム」実践もあります。また、こづかいゲーム、家計管理ゲーム(仮称)などをワークショップとして取り入れた「家族全員参加型」の家計管理講座なども企画し、一組でも多くの親子の方々に参加していただきたいと思っております。
posted by じんない at 15:24| Comment(40) | TrackBack(5) | コラム 式町みどり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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